3代目C231型ローレル
(昭和54年6月版)
C231型はC230型の後期型で、初めて“メダリスト”という最高機種が登場したモデルである。特徴といえば、排出ガス規制に適合させたエンジンのための重々しい動力性能と、いかにも豪華に見える内装であろう。
3代目ローレル主要諸元表
画像:3代目後期ローレル4HT2000メダリスト
ピラーレスの4ドアハードトップ2000メダリスト。ボディ同色のホイールキャップはこの時代の日産高級車のシンボル?だった。
画像:3代目後期ローレルインパネ
4ドアハードトップ2000メダリストのインパネ。ラジオやカセットステレオがとてもシンプルである。
画像:3代目後期ローレル車内
見よ!この豪華なシートを・・・ と言わんばかりの、上と同じグレードの内装。メダリスト系のこの応接間風ふんわりシートが売りだった。
4 ド ア セ ダ ン
画像:3代目後期ローレル4SD2000GL6 GL6の“6”は、6気筒という意味で、同じグレードに1800の4気筒があって、差別化するためにつけられていた。
画像:3代目後期ローレル4SD2000SGL−E上のGLより一つグレードが高いSGLで、このグレードにも1800の4気筒があるのに、2000SGL6とならないのが不思議だった。SGL−Eの“E”は、電子制御燃料噴射装置 EGIが付いているという意味である。
4 ド ア ハ ー ド ト ッ プ
画像:3代目後期ローレル4HT2000メダリスト メイン車種だった2000メダリスト。
画像:3代目後期ローレル4HT2800メダリスト最高機種の2800メダリストである。装備はほとんど2000メダリストと変わらないが、シートのボタン?の数が増えてさらに豪華に見えるのと、電子制御式アンチスキッド(現在のABS)がオプションで選べるようになっていた。
2 ド ア ハ ー ド ト ッ プ
画像:3代目後期ローレル2HT2000GL6 ローレルとしては最後の2ドアモデルである。車種構成はほとんど4ドアハードトップと同じで、これは2000GL6。
画像:3代目後期ローレル2HT2000SGL−E2000SGL−E。ボディ同色ホイールキャップは、ハードトップ系のSGL以上に装備されていた。

4 代 目 ロ ー レ ル
(昭和55年11月〜)
 「4代目ローレル」は、これといった魅力が感じられなかった3代目とはまったく異なり、きわめて意欲的なクルマとなって昭和55年11月に登場した。スタイルは、それまでの日本車ではあまり考慮されることがなかった空力性能が重視され、多少丸みを帯びたエクステリアは新しい時代の高級車であることを予感させた。また、走行性能についてもレベルを高めるための努力が感じられ、それは当時のこのクラスのクルマとしてはめずらしいことであった。ちなみに、4代目ローレルのデザインは、当時スカイラインの設計者として有名だった桜井真一郎氏とその設計チームが担当したものである。
 このように、日本の高級車として新しい方向性を示した意欲的なクルマであったが、販売面では苦戦を強いられた。とくに、ライバルの「トヨタマークU3兄弟」が4速ATや、途中から追加された2000のツインカム24という魅力的な内容を持って販売されており、その差は広がるいっぽうであった。もっとも大きな原因は、空力を重視した新味のあるボディスタイルが、当時のこのクラスのユーザーに受け入れられなかったことであろう。インテリアも3代目の反省からか、かなりシンプルな感じに仕立ててあったが、それが裏目に出てしまった。
 当時のユーザーのレベルは、走行性能などよりも豪華さ(それも見た目だけの)に目が奪われていた時代で、シンプル&クリーンをめざして開発された4代目ローレルは、日本ではまだまだ時期尚早のクルマだったのである。同じことは、日産がFF化のために多大な投資をして開発し、同時期に販売されていた「バイオレット3兄弟」にも言えることで、やはりこのローレルと同じようなボディラインにより売れ行きはサッパリであった。
 これらの失敗により、それ以降の日産はかなり保守的になってしまい、下はサニーから上はセドリック&グロリアまで、異常とも思えるほどに角張ったスタイルや、いかにも豪華に見える内装のクルマを次々と世に送り出すこととなるのである。
 なお、エンジンは2800のL28Eをはじめ、2000のL20EとL20S・ターボのL20ET,4気筒では2000のZ20Sと1800のZ18Sが設定されていた。また、ディーゼルはセドリックに初搭載されて好評だった2800のLD28と、2000のLD20があった。それと、3代目まで存在していた2ドアモデルは、4代目より姿を消している。(文中の馬力についてはすべてグロス表示です)
4代目ローレル主要諸元表
前期型(昭和55年11月〜)
4 ド ア ハ ー ド ト ッ プ
画像:4代目前期ローレルHT2800メダリスト外観
画像:4代目前期ローレルHT2800メダリスト内装
←4代目ローレル前期型の最高峰である「2800メダリスト」のインテリア&エクステリア。155psを発生するL28E型を搭載し、ATとしては4代目ローレル中最速のモデルであった。なお、メダリストでは125psのL20E型搭載車も選択できた。2800メダリストの専用装備としては、空気清浄機やひとまわり大きなミシュラン製のラジアルタイヤなどである。また、当時流行のドライブコンピュータが、2800メダリストのみにオプション設定されていた。3代目ローレルに比べ、内装などがかなりシンプルになっていることがよくわかる。
画像:4代目前期ローレルHT2000ターボSGX 画像:4代目前期ローレルHT280D VX-6
↑L20ETを搭載した「2000ターボSGX」。SGXはハードトップ系のターボ車のみに存在していたグレードである。当初はターボメダリストがなかったので、このSGXがターボ車の最上機種だった。 ↑こちらはセドリックで好評を博したLD28型ディーゼルエンジンを搭載した「280D VX-6」。VXは「SGL」と同等のグレードであるが、ディーゼル全車には後輪独立懸架の採用が見送られ、4リンクコイル式となっている。
4 ド ア セ ダ ン
画像:4代目前期ローレルSD2000ターボSGL 画像:4代目前期ローレルSD200Dカスタム
↑セダン系ターボ車の最高グレードだった「2000ターボSGL」。L20ET型エンジンは最高出力145psを発生した。 ↑65psを発生するディーゼルのLD20型はセダンのみに搭載されていたが、これはそのうちもっとも安い「200Dカスタム」。管理人SSが通っていた教習所が使用していたクルマである。そこでは、当時でもかなり古い60ps発生のSD20型ディーゼルエンジンを搭載した、5代目330型セドリックも同時に使用していた。車両重量の差も大きいが、新世代LDエンジンと古いSDエンジンの性能の差は歴然としていた。それは、とても5ps程度の違いとは思えないもので、加速はもちろんのこと、振動,騒音など、どれをとってもLD型は素晴らしく、ガソリン車と遜色のないレベルであった。LD20ですらこう感じたのだから、最高出力91psのLD28型が各方面から絶賛されたのもうなずける。
画像:4代目ローレル足踏み解除式パーキングブレーキ ←こちらは、4代目ローレルの装備のうち、かなりめずらしいもの。現在でも足で掛けるパーキングブレーキは数多く存在するが、これは足で解除までできてしまう。セダン系のコラムAT車に装備されていた。世界初とうたわれているが、いまとなっては世界唯一と言ってもいいのではないだろうか?
一部グレード追加(昭和56年11月)
画像:4代目前期ローレルHT2000ターボメダリスト ←フルモデルチェンジからちょうど1年後に「2000ターボメダリスト」がハードトップ・セダンともに登場し、最高グレード「メダリスト系」の充実が図られた。また、L20ETエンジンにECCS(エンジン集中電子制御システム)が装着されたほか、一部グレードのATがロックアップ機構付となっている。エクステリアで気になるのは、上級グレードのバンパー下部のモールが、なくなっていることである。
後期型(昭和57年9月〜)
4 ド ア ハ ー ド ト ッ プ
画像:4代目後期ローレルHT2000ターボメダリスト 画像:4代目後期ローレルHT1800SGL
↑マイナーチェンジされた「2000ターボメダリスト(左)」と「1800SGL」。同年代の「レパード」や「トヨタマークU」同様、ローレルも後期型で2800のL28Eが落とされ、5ナンバーモデルのみとなった。したがって、ターボメダリストが最上級グレードとなっている。また、L20Sが消滅し、1800のZ18Sは新世代CA18Sに変わっている。大きな変更として、4気筒モデルを除くATが待望の4速になり、そのうちのディーゼル車以外は、電子制御フルロックアップトルコンになった。エクステリア&インテリアでは、前期型がシンプルすぎたことを意識してか、メッキ類の多用やフードマスコットの採用,細かい意匠のフロントグリル,マルーンの内装色など、やや豪華さを取り戻した印象を受けるものとなった。メダリスト系にはカラードウレタンバンパーが標準装備となったほか、ブロンズガラスの装着車も設定されている。
4 ド ア セ ダ ン
画像:4代目後期ローレルSD2000Eメダリスト 画像:4代目後期ローレルSD200D GL
↑後期型セダンの「2000Eメダリスト(左)」と「200D GL」。セダン系の変更内容も、ハードトップ系とほぼ同様である。
一 部 追 加 (昭和58年夏?)
画像:4代目後期ローレルHT2000ターボメダリスト ←セダンスタンダードを除く全車にドアミラー装着車が設定された。また、登場時期は不明だが「ジバンシーバージョン」なるモデルが後期型の途中より追加されたと記憶している。
画像:4代目後期ローレルHT2000Eメダリスト
↑メダリスト系はツートンのボディカラーのイメージが強かったが、ホワイトなどのモノトーンも存在した。

このページに掲載されている画像・文章等、全ての内容の無断転載を禁止します

懐かしいクルマ画像トップページリンク:日産画像トップへ            自動車の部屋トップページリンク:自動車の部屋トップへ

inserted by FC2 system