各私鉄系;SSのひとりごと
管理人SSが京成グループ以外の私鉄に関することついて、述べておきたい事柄を記録しているページです。ここで掲載していることはあくまでもSS個人が感じたことであり、その内容が決して絶対なものではないとういうことをご理解願います。

:都営5300形ビビリ振動の謎???
 平成3年に登場した都営浅草線の5300形は、登場当初こそ外観の明るい塗色と、ちょっと変わったシート色による内装など、とても感じのいい車両だったが、最近では外板も内装もややうす汚れた印象を受けてしまうのは残念である。まあ、汚れの目立ちやすい色を採用し、登場から10年以上の時間が経過しているので仕方がないが・・・
 それよりも、最近SSは京成線内でこの5300形に乗車したのだが、高速域まで加速してノッチオフした際の、あの奇妙なビビリ音と振動は一体何なのだろう?SSが乗ったのは5316-8で、100キロ程度まで加速して惰性運転に入ったときのそれは本当にひどいものであった。新車時にもこの振動は若干感じられたものの、それは現在とは比較にならないほど小さかったと記憶している。また、SSがよく乗る車両のうち、同じインバーター車で同時期に登場した京成3700形や、それよりも前に登場した新京成8800形などは高速時でもいたって静かで、振動も少ない。
 都営浅草線の第1世代であるかつての5000形は、WNと言われる駆動方式独特の微振動によるシビレが、やはり中速以上の速度域でノッチオフした際に発生したものだが、5300形のビビリ振動はそれ以上にひどく感じられた。構造上仕方のないものなのか、それともメンテナンスにより抑えられるものなのかはわからないが、とにかく不思議な振動である。(平成14年1月8日 記)

:内容は斬新な小田急新車
 この下で記した通り、小田急新型通勤車のスタイルについては、過去の車両とあまりにも異なった部分が多かったためかなり驚かされたが、新技術の多用や車内の意匠など、その内容についてはきわめて小田急らしい新型通勤車であることが判明した。
 技術的なハイライトとしては、ベクトル制御のVVVFインバータ装置を搭載し、停止寸前まで電気ブレーキが有効に作動する純電気ブレーキシステムを採用している。この“純電気ブレーキ”は、新京成電鉄で実際に営業している車両(8800形)を用いて試用が続けられてきたもので、従来よりも電力の回生率や制動時の乗り心地が向上し、将来的には鉄道車両からコンプレッサー(空気圧縮機)が不要になるかも知れないという革新的な技術である。
 車内においては、車椅子のスペースが当然のことながら設けられているが、そこに2名分の折畳式座席を備えており、車椅子スペースとして使用されない場合の座席定員増加を図っている。関東では、平成3年に登場した営団南北線用の9000系に同じようなものが装備されているが、それ以来、なぜかあまり普及していなかった。座席の袖仕切りは、意外にもJR209系から広まった大型タイプのものではなく、若干変わったデザインながら着席者のアームレストとして機能する大きさのものである。
 車内の配色は、1000形・2000形とほぼ同じくホワイト系の化粧板にレッド系のシートであるが、側扉・貫通扉とその周囲がクリーム色とされており、ホワイトのみに統一されているよりも暖かみのようなものが感じられる。また、車内側の側扉窓の周囲には太目の黒い縁取りがあり、素材がゴムではないもののこれはかつてのHゴムを連想させるもので、懐かしいイメージである。
 なお、車端部の側窓と妻窓がないため、各車両の端の座席はやや暗い印象を受けてしまう。ほかの大手私鉄最新通勤車両では軽量化と低コスト化のために皆無となった戸袋窓が、この3000形では未だに残されているが、その分、窓間の柱を太くして車体強度と軽量化を両立させているという感じがする。
 いずれにしても、技術面や車内のイメージからは小田急の新型車両らしさや個性が感じられ、JR209系などのように低寿命や低コストを狙った無味乾燥な車両とは異なり、好感が持てるものだった。
 この小田急新型通勤車は、当初各方面で「3200形」とされていたが、正式には「3000形」ということである。
 (平成13年11月4日 記)

:小田急新型通勤車にビックリ!!
 このたび小田急電鉄に新しい通勤型車両の3000形が導入され、個人で小田急関連の話題を掲載されている各ホームページや掲示板で話題になっている。小田急と言えば、きわめて先進的な新技術を取り入れて昭和29年に登場した2200形をはじめ、個性的な前面がその後の私鉄系車両のデザインに多大な影響を与えた昭和47年登場の9000形、昭和57年に登場した8000形以来の個性を活かしつつ、新技術を満載したこれまでの最新系列2000形など、エポックメーキングな車両が多かったものだ。
 しかし、今回の3000形はどうだろうか?もちろん、新しい技術や装備は導入されていることと思うが、これまでの伝統や個性といったものを大胆に捨て去り、ただコストダウンばかりに重点を置いて設計された車両といった印象を受け、小田急としてのこだわりのようなものがほとんど感じられないのである。あれではほとんどJR209系のコピーであり、京浜東北線で走っている車両とかなり酷似しているばかりか、それ以上に無個性な感じを受ける。唯一小田急らしいと言えば、最近の車両ではめずらしくなった側面の戸袋窓と、従来通りの車体色ぐらいである。
 小田急は、特急車についても以前は前面展望室や連接車体などのかなり個性的な名車を登場させて有名だったのに、最近ではこれといった特徴がないEXEのような特急車になってしまったという経緯がある。そもそも、私鉄の車両というものはそれぞれの会社毎に異なった個性が感じられておもしろいものなのであるが、相模鉄道でも前面以外はJRの通勤車とほとんど変わらない車両を導入予定で、この傾向は今後ほかの私鉄にも波及していくのではないだろうか。
 各鉄道会社にはそれなりの事情というものがあることはSSにもよくわかる。コストダウンも結構だが、それぞれの伝統や個性といったものも大切にしていってほしい。だって、将来どれもこれもがJRと同じような車両になってしまってはつまらないではないか・・・

*従来型車両と大きく異なる点
  • 小田急通勤車としては久しぶりの非貫通型
    これは好みの分かれるところ。最近登場する私鉄車両では圧倒的に貫通型が多いが、今後はコストダウンのため、地下鉄に乗り入れない車両では非貫通型が増える可能性もある。すでに西武鉄道の最新型である20000系は非貫通で登場している。
  • 2900mm広幅から2800mm標準幅車体へ
    これはとても意外な変更であった。小田急の通勤車は、平成元年3月の2400形全廃により全車が広幅車に統一されていたが、今回の3000形はふたたび標準幅に戻っている。現在進められている複々線化工事により、将来的には混雑率が緩和されることを見込んでの変更と考えられ、側壁の下部を湾曲させずに済むことからコストもかなり抑えられそうである。
  • 前照灯・尾灯の上部への移設と急行灯の廃止
    特急車EXEに続いてライト関係が上部に移設された。前照灯については、一時期関東大手私鉄は腰部,関西大手私鉄は上部という傾向が見られたが、最近になって関東の京急電鉄600形が上部前照灯で登場し、その後京成3700形も途中から前照灯が上部に移設されている。そして、最近は日中でも前照灯が常時点灯されるようになったため、急行灯の必要性は薄くなり、なくなる傾向にある。
  • 集中式冷房装置に変更
    小田急の通勤冷房車は登場以来一貫して分散式を採用してきたが、今回から集中式となった。この方がコストがかからず、最近の関東ではJR・私鉄を問わず集中式を採用する例が多い。
  • 台車の変更
    これまでは住友製のアルストムリンク式≠ニ呼ばれる、ほかではあまり例のない特殊な台車を特急車・通勤車ともに履いていたが、今回はありふれたタイプの超軽量台車となった。
当ホームページでは残念ながら画像はないが、とにかくこれほどまでに大きく変わった小田急3000形は平成14年2月に営業運転が開始される予定である。(平成13年9月1日 記)

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